和歌山ラーメン

井出商店
和歌山ラーメンの代名詞となった井出商店
行列の絶えない超人気店である
 平成10年、「TVチャンピオン」で「井出商店」が日本一に選ばれたことから全国的にブレイクした和歌山ラーメン。豚骨をしっかり煮込んだ濁ったとろりとしたスープに、ストレートで細麺の「とんこつしょうゆ味」が高い評価を受けた。地元では「中華そば」と呼ばれることが多いラーメン、実は和歌山ではこの「井出商店」から派生した「井出系」と、それよりも歴史のある「車庫前系」がある。「マルタカラーメン」の高本光二が屋台の「中華そば」店を始めたのは昭和15年。繁昌したこの店の仕事を覚えた人々が戦後、市内を走る市電、いわゆる路面電車沿いに「中華そば」の屋台を出すようになった。だしは、豚骨でとっていたが、保存のためいったん豚骨を醤油で炊いていたのが思わぬ旨さを引き出したという。これらの屋台が店を構え、しっかりとした澄んだ醤油味のスープにちょっと太めのストレート麺、具はナルトの替わりにカマボコというラーメンが一番の繁華街であった市電車庫前に軒を連ねたことから「車庫前系」と呼ばれ人々に親しまれるようになった。
 一方「井出商店」の井出つや子は、昭和28年に「中華そば」の屋台を始める。最初は「車庫前系」と同様のスープ。ある日スープを火にかけ過ぎ、濁らせてしまった。
 ここから九州ラーメンとは別の「とんこつラーメン」を、試行錯誤の末に生み出したのである。この褐色のスープは地元の人を魅了し、多くの人がここで修行をし、店を開き、「井出系」を形成するようになったのだ。長い歴史を経て和歌山の味となった2つの「中華そば」、どちらの味もその歴史を伝える「円熟の一杯」だ。

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