FC加盟によるラーメン店経営


 独立して新たにラーメン店を始める場合、経営形態の一つにFC(フランチャイズ・チェーン)に加盟するという方法があります。FCは、今からおよそ100年前アメリカで生まれたシステムで、昭和30年代の初めにわが国に上陸しました。独立・開業の有力な手段として昭和45年頃から急速に普及し、現在わが国には、店舗数で約20万店以上のFCがあると言われます。そのうちラーメン店のFC店舗数は、5,490店(平成11年度現在)その数は、低成長の現在も増加を続けています。また最近では大手企業によるラーメン店のFC展開も目立っています。

1.FCの仕組みは
 FCとは、加盟店を組織・統括、運営していく本部(フランチャイザー)と、実際に事業を行う加盟店(フランチャイジー)との間で契約を結び、運営されるシステムのことを云います。FCへの加盟希望者は、本部に対して加盟金を支払った上でFC契約を締結、フランチャイジーとなりその後、本部の経営方針に従って経営を開始し、毎月の売上金の何%(ラーメン店の場合一般的には2%~3%程度)かを本部へ納入します。これをロイヤリティと云います。また、商品の仕入れを本部経由で行うことを義務付けているFCもあります。一方、フランチャイザーは、フランチャイジー対してFCの商標や経営の象徴となるロゴ・シンボルマークなどの使用許可を与えると同時に、マニュアルなどによる経営に必要となる様々なノウハウの提供や一定期間の研修などにより加盟店の指導・教育を行います。
 以上のようにFCは、フランチャイザーとフランチャイジーとの間の義務と権利に基づいた契約によって運営されていく共同事業システムですが、フランチャイジーは、あくまで独自の資本と経営権をもって営まれる独立した1人の経営者と云えます。つまりFC本部の従業員や、支店の責任者ではありません。商品の仕入れ、販売、アルバイトの募集、利益の確保など、経営上の責任はすべて、フランチャイジー自身が負うことになります。その意味では、個人が独立してラーメン店を行う場合と同じとも云えるでしょう。

2.FCに加盟した場合のメリット・デメリット
 ラーメン店を開業する場合、個人で経営するか、FCに加盟するか、それぞれのメリットとデメリットを十分理解して選択する必要があります。以下それぞれについて一覧表にまとめてみました。

メリット デメリット
全く経験のない分野でも、本部の指導や研修を受けることで、素人でも短期間のうちに必要な経営ノウハウを習得出来る。 フランチャイジーは、チェーン店全体として統一性を要求されるため経営者個人の考えや方針を経営に反映しにくく、その意味では完全に独立した事業とはいえない。
ある程度のノウハウが確立されているので個人が事業する場合に比べて、失敗の危険性が少ない。 品揃えや販売方法、営業時間などさまざまな契約上の制約がある、たとえ本部以外の有利な商品仕入ルートやユニークな販売方法があっても、実行に移すことが出来ない。
個人でおこなう場合に比べて同規模の店舗なら開業費用が安くなる。 加盟金、ロイヤリテイを支払う義務がありその分、利益も減少してしまう。
本部が、印刷物やラジオ・テレビなどを通じて定期的に行う宣伝・広告により、消費者はすでにそのFCチェーンのイメージや信頼感を持っておりその分、加盟店は有利な条件で営業することが出来る。 営業権の譲渡については制約があり、契約終了後に類似した事業を行うことが禁止されている場合が多い。
フランチャイザーから定期的に、安定した商品や原材料の供給を受けることができる。 フランチャイジーは利益を確保出来なくても契約に拘束される。


3.情報収集について
 経済産業省は、フランチャイザーとフランチャイジー間の取引の適正化を推進するためフランチャイザーの事業概要や契約条件等に関する情報を、日本フランチャイズチェーン協会の協力のもとフランチャイザー・データベース(http://frn.jfa-fc.or.jp/)として加盟店希望者に対し一般公開しています。ラーメン店のFCに関しても多数が登録されており事前の情報収集として利用すると良いでしょう。



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