1．レイアウト
　店舗のレイアウトの良し悪しは、お店の集客力や収益力に大きな影響を及ぼします。客席を無理に大きくとろうとしすぎると、厨房が手狭で使いづらいものになってしまい、料理が手早く出せなくなってしまったり、人手がかかって人件費増加の要因にもなるからです。つまりレイアウトの問題は、限られたスペースの中で、働きやすい厨房をいかに確保し、なおかつ客席数を確保して、お客様にとって居心地の良い空間をつくるかということに尽きると云えるでしょう。しかし、ここで大切なことは、客席数と売上げは必ずしも比例しないということです。図面上で客席数は取れても、すべての席が有効に稼働しなければ、無理をして詰め込んでも、お客様にとってはかえって窮屈な空間となり、良い印象を与えないからです。単純に図面上の席数で満足するのではなく、少人数のテーブル席、ベンチシート、長いカウンター席、多人数でも座れるテーブル等、多様なニーズに対応でき、お客様がゆったりとくつろげる、生きた席を確保できるように考えることが重要と云えます。
　厨房については、商品そのものを製造する場所であるから、実際様々な場面や状況を想定し、働きやすいスペースにすることがもっとも大切です。その場合、具体的に厨房器具をどのように配置するか考えなければなりませんが、ラーメン店にとって最低必要な厨房機器は、中華レンジと冷凍・冷蔵庫、流し台、調理台といったところ。その他に、スープをストックする場所や、餃子を焼く機器なども必要になることが多く、これらのものの配置を考えて検討していくとよいでしょう。

2．外装
　ラーメン店を開店する場合、まず重要なことは、1人でも多くの人に来店していただいてラーメンの味とお店の雰囲気を知ってもらうことです。その意味において、外観や看板、デスプレィというのはきわめて大切なものと云えます。まずお客様が店を選ぶ場合のポイントとなる外観やエントランス部分は、その店のコンセプトが明確に表現されていることが大切といえます。たとえば「本場札幌ラーメンの北国のイメージを感じる」とか「木のぬくもりを感じる」等の演出が必要といえます。ディスプレィをうまく利用して、夜間でも何だろうとお客様の足を止めさせる雰囲気づくりも良いでしょう。看板については、外観とのイメージの統一が大切であるのと、遠くの車からでもはっきりと存在がわかるような目立つものが必要と云えます。このように外観や看板には、知恵とお金を充分に使って、効果的なものをつくりましょう。一時的に費用がかかっても、それは一回で済み、その都度掲載料金がかかる雑誌広告やコマーシャル等に比べれば、長期的にははるかに安く、その効果も非常に高いのです。お客様に、なんだろう？　と感じさせるような外観と目立つ看板で、思わず店舗に引き入れてしまう雰囲気がまず必要ではないでしょうか。

3．内装
　今、多くの外食産業が注目しているのは、女性客である。それは、女性客を取りこんでいくことが成功の大きなキーワードとなるからだ。ラーメン屋を見てみると案外女性が少ないのに気がつくだろう。実際、多くのラーメン店に来店する顧客の女性比率は、せいぜい10～20％程度にすぎない。しかし実際、女性はラーメンが好きなのだ。ただラーメン屋はどちらかというと男性的なイメージがあるから入りづらいという理由があるからだ。
　他の飲食業界においては、女性客を取りこむことで成功しているものが多い。たとえば店頭公開をはたしたタスコシステムが運営する中華レストラン「暖中」は、食を楽しむ独特の雰囲気の外装、内装で、女性でも入りやすいような工夫をして成功している。モスバーガーグループの(株)トモスが現在約100店を運営するラーメンチェーン「ちりめん亭」は、女性1人でも気軽に入ることのできるラーメン屋さんを、と考えてつくられたお店で、ファーストフードの経験を生かした、綺麗で衛生的な店舗を心がけている。かつては、ラーメン店以上に女性客とは縁が無かった居酒屋も、今では女性客やファミリー層を取りこんで大変な賑わいを見せている。このように、今後のラーメン店はどれだけ女性が入りやすい店作りをするのかが大きなターニングポイント。人口の半分は女性だという事を忘れずに、内装に工夫をこらすと良いでしょう。

4．中古厨房機器の活用
　札幌市保健所食品指導課によると、平成13年4月から9月までの札幌市内の飲食店の営業廃止は1215件（前年同期比7.6％増）なのに対し、新規営業許可数は1427件（前年同期比4.2％増）。不況が長引く中、企業からのリストラ等をきっかけに飲食店を開業する人が増え続けているのが実情。このような環境にあって、厨房機器を揃える際ぜひ検討してほしいのが中古品の活用である。札幌市内でも、廃業したラーメン店や食堂などの厨房機器を引き取り、販売している業者が数社あります。新品の４分の１から10分の１の破格値で購入が可能であり、ラーメン店で使用するガスレンジ、寸胴、大型冷蔵庫（冷凍庫）などの厨房機器のほとんどを調達することが可能です。なお、中古厨房機器の情報はホームページでも検索が可能です。札幌にも支店を構える業界大手のテンポスバスターズ様のサイトが充実していますので参考にすると良いでしょう。