もやし

 伝統的札幌味噌ラーメンの具の代名詞とも言える「モヤシ」。
 具として初めて「モヤシ」を使うことを考案したのが味噌ラーメンの生みの親、大宮守人氏です。昭和20年代前半、札幌ラーメンの具といえば、メンマにネギ、チャーシュー、なるとといったものでした。いずれの具もラーメンの上に載せるだけでよく、麺をゆでている間の手持ちぶさたが、大宮氏には、どうしても気になった。麺がゆであがるまでの時間で何かできないかと考えて思いついたのが中華料理でおこなうフライパンさばきでした。
 フライパンで野菜を炒める姿は、なかなか威勢がよくお客様へのちょっとした見せ物にもなるしそれをラーメンに載せれば、栄養にもなるし客も喜ぶに違いない。
 では、何を炒めたら良いのか…
 タマネギは、ベストでしたがコストが掛かる上、季節によって品質が変わるという問題があったため考えあぐねた末、思いついたのが当時あまり食べられず、しかも安価であった「モヤシ」でした。また「モヤシ」の食感に負けないように札幌ラーメンの麺もその後太くコシのあるものが使われるようになりました。
 現在、日本で一般的に使われる「モヤシ」は、インド原産の「ブラックマッペ」という種類でビルマやタイ、中国から輸入したものが使われています。この「モヤシ」は、甘みこくが優れた品種ですが太くならず見栄えが良くないという欠点もありましたが現在では、低温長期熟成の製造方法で太い「モヤシ」を作ることができるようになりました。
 なお「もやし」は、植物の種子が一番活発に成長している時期を食べるため栄養価も高く、ダイエットやボケ防止効果もあると言われています。またラーメンの具として使用する場合は、ニンニクの匂いをおさえるという効果もあります。

もやし  長期低温熟成により製造された「ブラックマッペモヤシ」。美味しいモヤシを作るポイントは「水」。この工場では、支笏湖の地下状流水を使用しています。

写真提供 ミキ食品株式会社




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