
ラーメン店は、まず美味しいという以前に「お客様あってのお店」ということを忘れては、いけない。メニュー表を見せたままいっこうに注文を取りにこないとか後から頼んだ人の料理が先に出てきて自分の分は、催促するまででいっこうにでてこない等、注意しなければならない点は、多い。ここでは、ラーメン店にとっての顧客サービスという観点からポイントをみていきましょう。
1. 笑顔
現在は「顧客満足」から、より以上の「顧客感動」が求められる時代となりつつあります。従業員の印象はそのままお店の印象となることを自覚し、髪や服装の乱れがないかをチェックするのはもちろん、快心の笑みでお客様を迎えることが大切です。商品と一緒に「やる気」「活気」「陽気」もお客様へプレゼントする心掛けで接客すると良いでしょう。 笑顔を心がける有名なトレーニング法に「ミラートレーニング」というものがあります。これは、従業員の休憩室や通路などに等身大の鏡を用意しておき、店に出る前に鏡に映った自分へ最高の笑顔を投げかけるものです。このような習慣を毎日繰り返すうちに素敵な笑顔が自然にでてくるようになるでしょう。
2. サービス用語の徹底
繁盛店に共通する特徴として、従業員の叫ぶような「いらっしゃいませ」という挨拶が強烈で、活気のある明るい雰囲気を感じられるということがあげられます。「売上=挨拶の声の大きさ×明るさ×回数」という言葉もあるようですがラーメン店にとっては、まず「いらっしゃいませ」に代表される接客用語の徹底が大切です。接客九大用語というものがありますのでぜひ毎日、開店前に唱和をするなどして習慣化していくと良いでしょう。
<接客九大用語>
・いらっしゃいませ
・少々お待ち下さい
・お待たせいたしました
・申し訳ございません
・かしこまりました
・ありがとうございました
・また、おこしくださいませ
・恐れ入ります
・~はいかがですか
3. ピーク時の接客対応
ラーメン店の場合、お昼時等の来店客ピーク時の対応が売上に大きく左右してきます。この時間帯は、いかにお客様を上手に誘導し回転率を高めるかということが大切です。ポイントとしては、以下のようなことがあげられます。
(1) 空いた席にお客様をうまく誘導することができる。
(2) 商品提供が早い(まとめて調理できる効率の良いものをすすめる工夫も必要)
(3) お客様が帰った後の後片付けが敏速
(4) オーダー取りが早い
(5) 待ち客の応対が上手
(6) 遅れている料理を常時チェックして厨房への指示ができる
4.お客様の立場で考える
サービスの基本は、「お客様にしてほしいことをしてあげる」ということに尽きます。具体的には、「テーブルを拭いてほしい」「お水がほしい」「灰皿を交換してほしい」等である。そのためには、常にお客様への細かい観察と気配りができるよう心がける必要があります。
5. クレーム処理
注文の取り違い等、営業をしている以上、クレームを避けることは不可能なことと云えます。しかし、重要なことは、クレームが発生した時の対応です。とにかく頭を下げて心から謝ることと、敏速でかつ丁寧に対応することが大切と云えます。上手なクレーム処理ができれば、お客様は、かえって良い印象を持ちお店のファンになってくれることさえあるからです。
6. 従業員教育
感動を呼ぶお客様サービスを実現するためには、従業員一人一人の心構えがもっとも大切です。自分の給料は、お客様の支払う対価からいただくのだということを認識しお客様への感謝の気持ちを常に忘れないことです。この気持ちがひいては、お店のサービス向上に繋がっていきます。つまり「ありがとうございました」の言葉が本心から自然にでてくるようにしていかなければ本当のサービスは、提供できません。そのような観点にたてば、従業員育成の最も重要なポイントは、「働くことへの意識づけ」と「働く喜びの自覚」と云えるでしょう。おいしい料理を提供できることは、当たり前でさらに活気ある笑顔の絶えないサービスを提供できれば繁盛店への道は、近いと云えるでしょう。
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