
1.心構え
誰でも一度は、「一国一城の主になりたい」と考えたことは、あるのでは、ないでしょうか?しかし現実的には、様々なリスクから決断に踏み切れない場合がほとんどです。
ラーメン屋に限らず自分で商売を起こすには、様々な苦難の連続です。開業資金の確保の問題をはじめ、いざ開業してもサラリーマンのように毎月、決まった収入が、保障されているわけでもありませんし、社宅や社会保険(健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険)、病気や怪我で一時的に働けなくなった場合の休業保障といった会社に多額の費用負担をしてもらっていた部分もすべてなくなってしまいます。また独立開業するということは、誰の指示も受けなくてすむ代わりに、アルバイトの人件費、店舗の賃貸料、原材料の仕入に必要な運転資金等すべてについて自分で責任を負っていかなければならないことになりますし当然、給与所得者ではなくなりますので税務署への事業申告の義務も発生します。さらにラーメン店の場合は、食べ物をあつかうわけですから、おいしい料理を食べていただくという以前に、衛生に関する重大な責任も発生します。開業するには、そうした全てのものを背負う心構えがまず必要となります。準備期間も楽観的に進めるのではなく、入念に準備をすることが大切です。
2.家族の同意を得る
ラーメン店を開業する際、是非とも必要なのは、家族の同意と理解を得ておくことです。
新たに商売を開始すれば、様々な責任や負担が経営者にのしかかってくることは、前述で述べたとおりですがこうした場合、最良の理解者となってくれるのが、家族だからです。
特に、ラーメン店のような小規模な経営の場合、“3ちゃん経営”(父ちゃん、母ちゃん、兄ちゃんなどが主力の労働者となることからこう呼ばれる)などと云われるように、配偶者などの家族がその主力な労働力となることがが少なくないからです。
そのためにも、日頃から自分の事業計画を理解してもらい、コミュニケーションをとって、価値観を一致させておくことが大切になります。
3.お店のイメージを明確にする
ラーメン店の開業を成功させるためには、まず、自分の理想的なお店を詳細にイメージすることが重要です。言いかえれば、どのような顧客に対して、どんな商品やサービスを提供していくのかというお店の経営理念を明確にするということです。これが曖昧では、実際の店舗探しを始めた段階で、方針が変わってしまうことにもなりかねません。そこで具体的にお店のイメージを5W2H(いつ、どこで、誰が、なにを、何のために、どのようにして、どのくらい)の項目で検討しながら何度もシュミレーションをくり返しコンセプトを固めていきます。このコンセプトがしっかりしていなければ最適な店舗立地を探すことも難しいと云えるでしょう。
飲食店の5W2H
項目 |
内容 |
例 |
What |
メニュー構成、主力商品 |
ラーメン、餃子 |
Why |
お客の利用動機 |
仕事帰りのサラリーマン |
Who |
主要客層 |
主婦、学生 |
When |
営業時間 |
11時~20時、定休日木曜 |
Where |
出店立地 |
駅前 |
How |
売り方のスタイル |
本場札幌をイメージした店内 |
How many |
売上目標 |
80食/日 |
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