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ご当地ラーメンと札幌ラーメン

全国には各地の特色・食文化をふんだんに盛り込んだご当地ラーメンがたくさん!
地元で熱烈な支持を集める人気のラーメンを紹介します。
あなたの知らないラーメンが載っているかも…?

北海道のご当地ラーメン

旭川ラーメン

旭川ラーメン
旭川ラーメン村
平成8年に旭川市永山に開店したラーメン村。 山頭火など計8店の専門店が味を競っている。

ほんのりと海の香りがする醤油味のスープに、しこしこ麺。具はチャーシューとメンマとネギだけとシンプル。これが400軒のラーメン店がひしめく旭川で、永年愛されてきたラーメンだ。その始まりは札幌と同時期、昭和22年に遡る。手塩町で手打そばを作っていた加藤熊三郎の2人の息子、熊彦が製麺工場を、枝直がラーメン店「蜂屋」を開業。また同じ年「青葉」の村山吉弥も大八車を引いてラーメンを売り出した。

この2店が今の旭川ラーメンの始まりといわれている。札幌ラーメンが昭和40年代に全国的ブームを巻き起こしている間も、静かに店の数を増やし、味を磨いていった旭川ラーメン。この「地元密着の味」が広く全国に知られるようになったのは札幌から。

平成元年に「平成軒」が札幌にオープン、人気店になったのをきっかけに、旭川ラーメンの店が次々と札幌進出、一躍旭川ラーメンブームを巻き起こし、さらに東京、全国にも知られるようになったのである。その特徴は豚骨だけではなく、海産物も使ったスープ。理由は、豚骨の臭みを消すためとか、海に面していない旭川の人々が魚の味を求めたからなどといわれる。もう一つの特徴は、小麦粉の味を生かすため加水率を低くした細い麺にある。この麺がスープを吸い込み、麺自体を旨くし、独特の歯触りを生み出している。「蜂屋」や「青葉」は代替わりをし、今でも名店中の名店として、全国のラーメンファンを唸らせている。永年地元の人々の舌に鍛えられた、本物の味が旭川ラーメンの魅力だ。

函館ラーメン

函館ラーメン
新・函館ラーメン マメさん
新横浜ラーメン博物館に期間限定で出店し、大好評を博した函館ラーメン マメさんは、今年、函館市末広町に復活オープンし人気店となっている。

澄み切ったスープに、ストレートの細い麺。塩味のあっさり感が函館ラーメンの身上だ。函館ラーメンは、今の日本のラーメンの中で、最もそのモデルである中国の麺料理の形を残しているのではないだろうか。古くは江戸時代から長崎を通じて中国との貿易を行い、明治時代から昆布や海産物の買い付けに華僑が多く訪れた函館。

この地ならではのラーメンだ。その中国との交流を伝えるのが大町に現存する中華会館。明治43年に開館されたこの建物の中には、「蘭亭」という支那料理店があった。明治から大正にかけて、これら料理店などを通じて、中国料理の文化が流入しラーメンのルーツが築かれていく。昭和初期には「支那そば」としてラーメンが登場。「ミス潤」という当時、純喫茶だった店では「ラーメン(支那そば)1杯15銭」と書かれた昭和7年のメニューが今も残る。同時期に「ミス潤」の隣には、支那そば専門店「笑福」があったという。この「支那そば」もまっすぐな細麺と澄んだ塩味のスープだった。

戦後、ラーメンは札幌と同様に屋台から再開。ただ中国料理からの伝統はここでも引き継がれ、現在に至っている。今でも「ラーメン専門店」というよりも、「中華料理店」でラーメンを食べることが多いのも函館の特徴だろう。スープは、豚骨ベースでも透明感のあるスープに仕立てるため弱火で沸騰させない火加減の調節とこまめにアクを取る手間が重要。お店によっては、野菜、昆布、鶏ガラなども使う。具はシンプルにチャーシューとねぎとメンマ。縮れのない麺の咽ごしはなめらかで、すっきりとした後味が楽しめる。


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